“ヒヤリ”3531件
昨年度の岡崎市民病院 患者にもアンケート調査
岡崎市民病院の医療安全管理室は、院内で起きた「ヒヤリ・ハッ」とした事例の報告など、昨年度の活動概要をまとめた。
医師や看護師らから提出された件数は延べ3,531件と、前年に比べ206件減。昨年度に何らかの事故によって治療が必要となった件数は67件で、うち13件が病院側のミスに当たるとしている。いずれも後遺症はなく完治するもので、本人や家族にはミスの内容について報告済みという。
昨年に比べて報告数が減少したことについて、同管理室では、各職場で手順書が作成されるなど改善が続いているものの「医療安全に対する意識の高い職員は、軽微な事例についても拾い上げて報告してくれている。件数が減ることが一概に良いとは言えない」と話す。
また昨年は初めて、入院患者へのアンケート調査を実施し、734人中414人が協力。患者からは「夜間の看護師の人数が少ないと思う。コールしても迅速じんそくに来てもらえないことがまれにある」「職員の心からの対応が良い薬になっている」などの意見が寄せられた。
医療事故を防ぐ体制づくりのために行った内部監査では、医師がサインしていないカルテや、保管されている薬の危険性を理解していない看護師など、不適切な事例が10件見つかり、改善、周知徹底された。
同室は、平成12、13年に相次いだ医療事故の対策のため14年4月に設置。事故の原因究明や防止体制の整備、対策の策定・周知を目的に、報告の内容調査をはじめ、昨年度は約50回の院内巡回や医療安全に関する16回の院内講演会、研修医による受診相談や医療相談室の業務体験などの活動を行っている。