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東海愛知新聞

日本から初の公式参加

国際生物学 オリンピックに出場

=県立岡崎高3年の岩間亮さん= 11日から北京で

生物学に興味を持つ高校生の世界的コンテスト「第16回国際生物学オリンピック」に県立岡崎高校3年生、岩間亮さん(18)が出場する。大会は中国・北京で開かれ、54カ国の約200人が参加。初めて公式参加する日本は岩間さんら4人。11日に北京大学で開会式、同大で12日に実験、14日に理論の各課題テストを行う。結果は16日の閉会式で発表される。岩間さんは「一生懸命やって自分なりに納得できればうれしい」と控えめに抱負を話した。

「休みの日ですか? 家で本を読んでいることが多いです」という岩間さん。岡崎市矢作中学校ではサッカー少年だったが、高校では好きな化学や生物を学ぼうと、クラブ活動のスーパーサイエンス部へ。化学、生物、物理の各班があり、岩間さんは化学と生物班に所属。受験の暗記型勉強から実験・考察型研究に変わり「2年生の夏休み後勉強の切り替えができました」と自信を深めた。将来は有機化学分野に進みたいという。

大学の研究者のアドバイスなども受けた研究内容は、質が高い。昨年秋、化学班の共同研究「光触媒反応における電子伝達剤の検討」で第48回愛知県学生科学賞の最優秀賞、全国大会の日本学生科学賞では入選3位など、3つの賞を受賞。
 また同じ学生科学賞で、生物班の一員として共同研究「外来タンポポの遺伝的侵略に関する研究」により県で最優秀賞、全国で環境大臣賞を受賞。“2打席連続ホームラン”を放った。

オリンピックの課題は大学生レベルで、独創的な解答が求められる。指導している彦坂和秀教諭(生物)と藤原波一教諭(化学)は、「こつこつと積み上げて深く勉強する」(彦坂教諭)、「専門書を買って読むほど。多くの受賞は実験後の考察が評価された結果」(藤原教諭)と言い、これまでの自主的な研究スタイルの成果が大会で発揮できるよう見守っている。

オリンピックへの参加は、文科省管轄の科学技術振興機構が呼びかけ、3月に国内選考が行われた。マーク式の一次には31校324人が参加し、岩間さんはトップの成績。10人が臨んだザリガニ解剖などの二次を経て、代表4人が決まった。他の3人は静岡県立清水東、愛媛県立松山南、筑波大附属駒場の各校男子生徒。

付き添いの専門家らと一緒に10日、成田を出発。北京大学の研究室を訪問、現地の高校生と交流し万里の長城なども見学する。岩間さんは一行より2日早く17日に帰国。「これにも挑戦したい」という「全国高校化学グランプリ」の一次選考(18日・名古屋大学)に挑むなど、“大リーガー”並みのスケジュールをこなす。

 ▼国際生物学オリンピック 第1回は1990(平成2)年、チェコスロバキアで開催。日本は95年のタイ大会、昨年のオーストラリア大会にオブザーバー参加した。昨年は40カ国159人が参加。課題テストの使用言語は英語とロシア語で、付き添いの専門家が翻訳して実施。実験と理論の個人総合成績により、上位10%以内が金、20%以内が銀、30%以内が銅メダル。

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