響流展(こうるてん)
お母さんが描けば子どもを刺激する
元校長・早川さん指導
ベテランから初心者まで132人
油彩・水彩画・デッサンなど
岡崎市康生通南三、西岸寺住職・早川円浄さん(73)から絵を習っているお母さんたちの作品を展示した「響流展」が15日、市美術館で始まった。子どもたちのメッセージを添えた作品もあり、家庭的な雰囲気の展示会になっている。19日まで。
早川さんは井田小学校、常磐中学校、竜谷小学校、六ツ美南部小学校、緑丘小学校などで美術の教員を勤め、竜美丘小学校長を最後に退職。在職中から「お母さんが絵を楽しむことで、子どもたちにも刺激になる」と呼びかけ、それぞれの学校で“絵画教室”の輪が広がった。
退職後の平成4年から「母親たちの展覧会」を始め、六年後には子どもが卒業してグループを離れた人たちで「響流展」を開催。これまで別々に開いていたが、今年から合同で行っている。
「響流」は「こうる」と読み、仏教用語で宇宙を意味する。英語の「call」にも通じ、多くの人を呼び込みたいという願いも込められている。
会場には15グループの会員と個人も合わせて132人が油絵、水彩画、デッサンなどを1人1点展示。描き続けて10年以上のベテランから、まだ1カ月という初心者までさまざまだが、風景や人物、静物など色紙から30号までの力作が並ぶ。中には「お父さん、誕生日おめでとう」「お母さん、これからもおいしいご飯をつくってね」という子どもからのメッセージが添えられた作品もある。
会員は週1回か2回、西岸寺や六ツ美南部学区市民ホーム、大平公民館に集まり、夫婦で参加している人もいる。5年目になるという40歳代のお母さんは「絵を描くのも楽しいが、同じ年代の人とおしゃべりするのも楽しみ」と話していた。