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東海愛知新聞

漫画で紹介全国発売

鳥川小学区(額田)のホタル保護

“ホタルの里”として知られる額田町鳥川(とっかわ)小学校の保護活動が、佼成出版社の「マンガで読む動物保護〜いきものをまもるシリーズ」の1冊として本になり、全国発売された。東京在住の漫画家・関口シュンさん作・絵の「ホタルの光る川」(A4判、31ページ)。学区ぐるみの活動が漫画で生き生きと描かれ、ホタルの生態についても分かりやすく説明している。同校は全校児童9人という小規模校だが、子どもたちは「多くの人に私たちの活動を知ってもらえる」と喜んでいる。
 関口さんは、『柔道一直線』などで知られる漫画家・永島慎二さんのアシスタントを経て独立。漫画月刊誌や児童書のジャンルで活躍している。
 5年前に同町大雨河小学校でビオトープの池が出来た時に訪れ、「ほったぞ! ぼくらのじまんの池」と題して本にしたことがあり、今回はホタルをテーマにした本を出そうと昨年4月と6月、鳥川小学校を訪れ保護活動を取材した。
 ◇保存会
 男川の支流、鳥川はかつて「あぜ道を歩いていると、顔にホタルが当たった」「かごにホタルを集めて提灯ちょうちん代わりにした」と言われるほどホタルが多かった。ところが川の水が汚れて極端に少なくなり、危機感を持った学校と地元住民で平成6年、鳥川ホタル保存会を組織。学区ぐるみの活動が始まった。
 保存会では校舎西に飼育小屋を設置し、子どもたちがホタルの幼虫のえさになるカワニナの増殖と、観察を続けている。
 ◇パトロール隊
 子どもたちも「ホタルパトロール隊」を結成。季節になると毎日夜、地域で何匹のホタルが飛んだかを調べて表に記録。毎週1回、当番を決めて登校時に川の水を学校に運び、水質検査を実施したり、川沿い9カ所にコンテナを置き、EM(有用微生物群)を混ぜた給食の残菜を入れ、カワニナのえさとして川に投入したりしている。
 ◇全国大会で発表
 鳥川小学校の子どもたちはこのほど、第38回全国ホタル研究大会西尾大会で活動の成果を発表。参加者に本を見せたところ、約50部が売れたという。
 6年生の4人は「(本に描かれている)顔が似ている。自分たちの活動が分かりやすく書いてある」とうれしそう。学校でも「地道な活動が本という形になり、ありがたい。ホタルについて、もっと知りたいという人にも読んでもらいたい」と話している。
 本は1冊1,470円(税込み)。鳥川沿いの案内所「ホタルの宿」でも販売している。
 ◇ホタル見ごろに
 鳥川沿いでは、今年も今月初めからホタルが飛び始めた。今年は例年より1週間ほど遅かったという。
 ピークは今週末から来週にかけてと予想されている。

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