匠の会
万博出展を街の誇りに
「地球市民村INおかざき」を開催 18、19日に長誉館で
岡崎市民に感謝の気持ちを込めて――。愛・地球博地球市民村に4月末まで出展した「おかざき匠たくみの会」(上野房男会長、会員41人)が18、19の両日午前10時から、岡崎市中町の丸石醸造内、長誉館で「地球市民村INおかざき」を開催する。展示パビリオンの“再現”、実演・体験のほか、匠の会と同時期に参加した市民団体などが集う。
展示では、平和への思いを込め市民と万博来場者1万人以上が手形を押した巻物、万博会場で来場者が彫った石像「なかよしの像」なども並ぶ。
匠の会の地球市民村プロジェクト代表・深田正義さんは「岡崎の方々に出展の意義や成果を知ってもらい、この街の誇りにしたい」と話す。
出展の意義はまず、「命と平和」をテーマにしたこと。
徳川家康は、秀吉の朝鮮侵攻で途絶えた李氏朝鮮と国交を回復し、朝鮮通信使招聘(しょうへい)へ導いた。出展テーマは、岡崎の職人の手業が戦のない平和な江戸期に発展した歴史に基づく。家康の“平和思想”に裏打ちされた出展意図が、「持続可能性への学び」という地球市民村の理念に合致し、作品の完成度やパビリオン構成も万博協会内で高く評価された。
今回の展示品には、400年前の国交回復折衝の際、朝鮮を代表し伏見城で家康と会見した松雲大師(ソンウンデサ)の子孫から、匠の会あてにファクスで届いたメッセージもある。
次に、朝鮮通信使の縁から海外パートナーとして「韓国伝統工芸匠人会」を招いたこと。また家康から数えて18代目の徳川記念財団・徳川恒孝(つねなり)理事長と、李氏朝鮮の領議政(いまの首相)だった柳成龍(リュソンリョン)の一族の子孫で駐名古屋大韓民国総領事館・柳聖杰(リュソンコル)領事との対面、2人による「命と平和のメッセージ」の署名を実現させたこと。これらは岡崎と韓国の新たな繋(つな)がりを作ったと新聞やテレビなどで報道された。
匠の会は市民へ万博出展を報告する会場に、徳川理事長と柳領事が訪れ、韓国伝統工芸匠人会の来日歓迎会を開いた長誉館を選んだ。同会は「出展できたのも市民や事業所から支援をいただいたからこそ。ぜひご来場ください」と呼びかけている。
この催しは岡崎市・岡崎商工会議所・おかざき匠の会で組織する「地球市民村参加PR事業実行委員会」の事業。問い合わせは地球市民村プロジェクト事務局(ツツイエンターテイメント内=26―2210)、おかざき匠の会事務局(岡崎商工会議所内=53―6190)、長誉館(22―0646)へ。
3 主な催事・実演・体験の予定(雨天決行)
【18日】バッグづくり▽書・暦に言葉書き▽ペン立てを作ろう▽午後5時=7月参加団体・地雷廃絶日本キャンペーン柴田知佐さん(光ヶ丘女子高三年)ミニ講演会 【19日】金箔・タイルに絵を描こう▽矢を射ってみよう▽三河木綿の機織り
【両日】石彫・一輪挿しづくり▽襖製作実演▽博覧会協会コーナー▽和太鼓、韓国太鼓演奏▽夏休み「おかざき匠の会」工房見学予約▽「うさぎ汁」「樽酒」振る舞い▽4月参加団体・ホールアース自然学校▽5月参加団体・子どもの虐待防止ネットワークあいち