岡 崎 撮影旅行20年の集大成
中根さんが写真集「絹の道」出版
岡崎市欠町の元教師、中根洋さん(79)がカラー写真集「絹の道」を出版した。シルクロードを中心に撮影旅行した20年間の集大成。これに合わせ、6月9日から14日まで同市本町通の画廊まる庄で開く10回の節目となる個展で、写真集から抜粋した全紙大の35点前後と、現地の人々の肖像数点を一枚のパネルにした作品のほか、小作品を展示する。
「知らないうちに20年が過ぎた。(写真を見ていると)これだけやったのかと感慨無量です」
中根さんの旅は、現職だった昭和59(1984)年、教育文化研修で行った中国の西安(当時の長安)から始まった。7世紀の唐の僧・玄奘(三蔵法師)が仏教の原典を求めてインドへ旅をした行路をたどり、ライフワークとして撮影旅行を続けた。
西安から河西回廊、天山北路、天山南路、西域南道。そしてキルギスなど中央アジア諸国、南へ下ってパキスタン、インド。さらに、仏教が広まったチベット、ミャンマー、カンボジアまで足を延ばした。
写真集は縦24.3センチ、横25.7センチの特殊サイズで170ページ。20年間に撮った約2万コマから231点を選んだ。昭和13年か14年ごろ学校の授業で、西域を詠んだ漢詩に心を動かされたことが旅の動機だったことや、旅の思い出などを「私とシルクロード」と題してつづり、巻末に全作品の解説を付けた。
「掲載する作品のレイアウトは他の人で」と、中根さんが会員のシルクロード友の会(会長=岡田康孝ブラザー印刷会長)の仲間で、元美術教師・校長の山田利一さんに依頼した。
昨年6月の個展後に着手し、「そこに歴史の事実があり、その現場に立った感激」(中根さん)が、念願の写真集に結実した。1,000冊を出版。岡崎市内の全小中学校や市立図書館などに献本し、個展会場にも並べる。