ササユリの“切り花”
岡崎 先端技術で今年は2000本出荷
岡崎市東阿知和町の農業バイオセンターが地元の農家と協力して育てたササユリが、今月下旬から切り花として市場に出荷される。
市場に出回っているササユリの切り花は山採りが多く、栽培されたものが出荷されるのは全国でも少ない。環境の変化や乱獲などで、ササユリを山野で目にする機会が薄れてきており、安定した供給と自然保護の観点からも栽培による切り花の出荷が求められている。
農業バイオセンターでは、平成6年から先端のバイオ技術を駆使したササユリの増殖や人工栽培に取り組み、球根の無菌培養から開花に至る一連の育成技術の開発に成功している。
こうして育成された球根を毎年、地元の駒立町や渡通津町の農家からなる岡崎ササユリ研究会(鈴木幸雄会長)に供給。そこで栽培されたササユリは、おかざき農遊館、ふれあいドーム岡崎で初夏の訪れを告げる風物詩として販売されている。
ここ数年は管理のしやすい鉢物の出荷に限られてきたが、ササユリ研究会では切り花の高い需要に応えるため、今年から同市米河内町に共同ほ場を設け、会員による共同管理栽培を始めた。
1月に同センターから運んだ球根は4月に出芽。約2,000本が出荷できる状態になった。岡崎産のササユリの切り花が店頭に並ぶことになる。
今月27日から開催する「ササユリ展」では、農遊館で従来通りの鉢物の展示、即売のほか、切り花の展示、即売を予定している。