エフエムEGAO

番組へのおたより・リクエストはこちら 763@fm-egao.jp その他 局へのお問い合わせはこちら info@fm-egao.jp

東海愛知新聞

郷土史を戦国の世に探る

「奥平氏と額田」を発刊

三部構成で年表・資料も 町教委

額田町教育委員会は、戦国時代に三河北部の山間地で勢力を持っていた奥平氏に焦点を当てた本『奥平氏と額田』を発刊した。町内外に残る室町時代前期から江戸時代初期までの関係資料を詳しく説明し、系図や図録も載せた。
 奥平氏は戦国時代、作手地方を勢力下におき、現在の額田町内にも家臣がいた。初めは今川氏、のちに徳川氏に従い、徳川家康が娘の亀姫を奥平信昌に嫁がせた。
 本はB5判、419ページ。3部構成で、1部は昭和49(1974)年から「広報ぬかた」に49回にわたって連載された「戦国史談」を復刻した。町内在住で、旧宮崎中学校長や町教育長を務めた平松七郎さんが執筆した。
 2部は新しく書き下ろした「奥平氏と戦国の額田」。町内の歴史研究愛好会「夏山史料保存会」の片岡佶さん、松坂昇一さん、鈴木安彦さん、深瀬一明さんの4人のメンバーが執筆・編集した。
 岡崎市との合併を控え、地元に残る奥平氏の歴史史料を記録しておこうと、町内の中世の墓などを調査。特に天正年間の長篠の戦いで、長篠城に籠城した武士たちのうち額田町出身者の系譜をたんねんに調べて紹介している。
 3部では奥平氏に関する年表と資料を載せた。
 編集に当たった夏山史料保存会では「奥平氏の足跡を追うことで地域が見えてきた。それを今、記録しておかないと忘れられてしまうと感じ、意識的に地域の記述にスペースをさいた」と『編集後記』で書いている。
 本の表紙は、京都の久昌院が所蔵する「奥平信昌像」で信昌が着用している袍(ほう)と呼ばれる服を基に、鮮やかな赤色を使っている。
 500部印刷したが、町教委では「増刷も検討している」という。1部2,500円で頒布している。
 問い合わせは同町教委(0564―82―2075)へ。

ページ最初へ