南極大陸に「南中旗」
OBの稲垣さんが母校に報告
岡崎市南中学校の卒業生で南極観測船「しらせ」の飛行長・稲垣米蔵さん=千葉県在住=が22日、帰国の報告に母校を訪れた。
稲垣さんは海上自衛官で、「しらせ」に積載されるヘリコプターのパイロットとしてこれまでに3度南極に行っている。
昨年10月、前年頼まれた応援旗の掲揚が無事できたことと11月14日から4度目の南極観測の任務につくことを全校生徒の前で報告した。
そのとき、生徒会から生徒会旗と野球部の部旗を大陸の地に掲げるように依頼された。
この日は、生徒会長で野球部主将の3年生杉浦史朗君が生徒を代表して南極に掲げられた2つの旗を受け取った。
稲垣さんは14日、東京晴海ふ頭に着いたばかり。日焼けした顔で「今回が最後の渡航になる。母校のために役に立ててうれしい。ほかの乗員も生徒の気持ちを理解して協力してくれた」と後輩と固い握手をした。
杉浦君は「すばらしい先輩のいることを誇りに思います。もう一度持っていってもらいたかった」と、ちょっぴり残念そうだった。
また、2年生の森優輝君も同席した。
森君は、小学校3年生のころから南極に興味を持ち、隊員の本吉洋一さんとメールを交換していたといい、稲垣さんも事情を知っていたため、話が弾んでいた。
河合好文校長は「中学生のころに抱いた夢を実現して立派な仕事をしている稲垣さんの姿は、生徒たちの生きる力の糧になると思う」と頼もしげだった。