整備改善策を説明
岡崎盲学校で署員ら障害者用の通路
県立岡崎盲学校中学部の瀬戸山健人君が、信号無視の車にはねられそうになったのを機に行った「道路実地調査」について、岡崎市と岡崎署は20日、調査結果を基に検討していた障害者用通路の整備改善策を同校に説明した。
発端は、瀬戸山君が小学部に在籍していた今年2月の登校時。音で青を知らせる信号機がある道路を渡ろうとした瀬戸山君は、左から来た車と接触しそうになった。
事態を重く見た同校は、市に対策を相談。市は信号付近に看板を設置し、小学部の卒業式後、障害者用通路の現状確認のため、瀬戸山君と両親、署員らを交え、実際の通学路を歩いて調べた。
調査では、点字ブロックが駐車車両などでさえぎられたり、青信号の点灯時間が短かったりと、さまざまな問題が浮き彫りに。市は同署や名鉄バス岡崎営業所に、学校周辺の信号のサイクル変更や、視覚障害者には分かりにくいバスの行き先の口頭アナウンス実施などを要請していた。
同校で行った説明会には、門井勝美校長と教師5人が出席。市は、信号のサイクル変更問題について「現段階での交通状況や渋滞緩和の必要性から、サイクルを変えるのは難しい」としたが、口頭アナウンスと点字ブロックの整備・新設は実現したと告げた。
また、区画整理中のJR岡崎駅周辺の点字ブロック上に駐車が多いことに関して、駅前交番署員は「駅利用者の送迎車がほとんどで入れ替わりが激しく、取り締まりは難しい。何かあった場合は交番に相談を」と対処法を話し、市は「路上駐車が減るような区画整理に努めたい」とした。
同課は、駅でバスを待つ人らに向け「点字ブロックの上に自転車などを置かないで」と書いたシールを希望場所にはることを提案。同校はシールが必要な場所を、生徒総会などで生徒と教師から聞くことを決めた。
説明を受けた門井校長は「障害者用通路の整備は、瀬戸山君に限らず生徒、教師全員の問題。改善に向けて動き出したばかりだが、最も大切な『安全性』を最優先に考え、学校側も協力を惜しまない」と話していた。同校には幼稚部、小学部、高等部合わせて79人が通っている。