武者絵幟を天日干し
岡崎のワタナベ鯉のぼり
勇壮、華麗な武者絵巻―岡崎市福岡町のワタナベ鯉のぼり(渡辺要市社長)では、端午の節句を前にして、江戸時代から伝わる「かなめ染武者絵幟のぼり」づくりが最盛期を迎えている。
のぼりの絵柄は、秀吉軍が備中高松城を水攻めする「太閤・加藤」や、武田信玄と上杉謙信が描かれた「川中島の合戦」など明治37(1904)年の創業以来の伝統を守る。長さは9〜11メートルが中心だが、住宅事情からか、ここ数年はベランダでも立てられる1.7メートルの需要が増えてきているという。
この日、作業場では、モチ米とぬかを練ったのりで下絵を描く「筒引き」や、15色を使うという「色付け」の作業が進められ、また野外では、仕上げとなる「水洗い」や「天日干し」が熟練した職人の手で1枚ずつ丁寧に行われていた。
作業は4月中旬まで続き約1,500本を制作、全国に発送される。