中学校で卒業式
3年間の思い出胸に
岡崎市内18校で3543人が巣立つ
県内の中学校で8日、一斉に卒業式が行われた。岡崎市内では昨年度より154人少ない、18校合わせて3,543人(男子1,806人、女子1,737人)が3年間の学び舎を巣立った。
北中学校では3年間、車いすで通った尾崎一樹君も卒業した。
尾崎君は1年生の夏休みに、交通事故で脊髄を損傷。車いす生活を余儀なくされた。
しかし、尾崎君は持ち前の明るさで同級生と同じように学校行事にも積極的に参加。30キロを歩く「サンセット・ウオーク」、東京方面への修学旅行、同校自慢の「輝きづなソーラン」などを楽しんだ。
尾崎君は「みんなが普通に接してくれたのがうれしかった。修学旅行では、みんなと一緒に風呂に入ったのも思い出です」と話し、「車いす生活の体験を生かし、将来は福祉関係の仕事に就きたい」と希望している。
卒業式では大久保慎一校長が「だれかが少し、無理をしないと世の中は進歩しない。みなさんは少し無理をして、学校のために頑張ってくれた。『切に思えば、事、必ず成る』の迫力と、3年間で培った『人間力』で人生を走っていってほしい」と233人の卒業生を励ました。
これに対し、尾崎君、足立大紀君、丸尾紋己さんの三人が答辞を述べ、「人は1人では生きられない、支えあって生きていることを知った。学校生活では魂と魂のぶつかりあいを教えてもらった」と学校生活を振り返り、「今は素直な気持ちで、お父さんとお母さんに感謝したい」と話しかけると、目頭を押さえる保護者の姿もあった。
岡崎市城北中学校では今月中に取り壊しが始まる体育館で最後となる卒業式が行われた。
同校体育館は、昭和41(1966)年4月26日の竣工。アリーナ部分の面積は945平方メートルあり、バスケットボールのコートが2面とれる当時としては市内で唯一の体育館だった。
竣工式を前にした3月、第4回卒業式が行われて以来、この日の第43回までに約9,000人が巣立っていった。
なお、今月22日午後2時から、「体育館お別れの会」を開く。