“危険個所”歩いて調査
小豆坂小6年1組 「安心マップ」住民に配る
岡崎市小豆坂小学校の6年1組32人が、学区の危険な場所や災害時に避難できる安全な場所などを詳しく調査、掲載した「安心マップ」を作り、このほど学区内に配った。作製のもともとの目的だった目や耳、身体が不自由な人たち用の特製「安心マップ」は、障害のある人たちの住所が分からないなどの理由から、まだ渡せないでいる。卒業を控えた児童たちは、苦労して作ったマップが早く届くことを望んでいる。
6年1組は総合学習で手話や点字など福祉について学び、今泉璃子さん(12)、服部男君(11)ら九人がマップ作りを提案。9人だけでは学区の地形を把握できないため、クラス全員で昨年11月末から約3カ月間、学区を5つの地区に分けて詳しく調査した。
障害のある人たちに学区内を安全に通行してもらうため、危険な場所ではアイマスクや耳栓をつけたり、車いすに乗ったりして通行可能かどうかを体験した。これらを基に、視力障害の人には道路部分に毛糸をはり付け立体的に、聴覚障害の人には細かい説明を加え、自分たちで撮影した危険個所の写真も随所に添付。この特製のマップを、ひとまず5種類作った。
ところが、配布を依頼しようと8地区の総代らに見せたところ「もっと分かりやすくして」「災害時の身近な避難場所も知りたい」などの希望が出た。そこで危険場所と避難場所のみを掲載したマップを別に作って印刷。まず今月1日、約2,800世帯に回覧板で配った。
障害のある人の住所を知りたいと市役所に頼んだが、プライバシー保護を理由に断られた。担任の柵木弓教諭は「障害のある方の住所が分かったとしても、押し付けになってはいけない」と心配し、理解を得ながら届けられるよう、良い方法を探っている。
こうした事情のなか、今泉さんは「グループに分かれて作ったマップの記号やマークを統一する話し合いが、本当に大変だった」。服部君は「障害のある人用に考えたマップを、災害時に町の人も使えるように作り変える作業がつらかった」と話した。