低料金で上質の舞台提供
岡崎演劇鑑賞会が創立35周年に親子2世代の会員も
かつて「岡崎労演」として親しまれ、上質の演劇を低料金で提供している岡崎演劇鑑賞会(岡田亮一会長)が、創立35周年を迎えました。19日午後12:45分から岡崎市上地3のアイプラザ岡崎で総会と人形劇団夢知遊座の記念公演を楽しむ。
同鑑賞会は昭和45(1970)年、名古屋労演に参加していた人と労音、岡崎演劇集団の3団体を中心に「岡崎勤労者演劇協議会」として発足した。設立前に準備例会を2回も開催。「さすが徳川家康の生誕の地、やることが慎重」と全国の仲間から言われたという。
当時は全国に革新知事が誕生したり労働組合活動の高揚期にあり、「演劇を通じて新しい文化の流れを」とサークル結成を呼びかけた。
第1回例会は文学座の「富島松五郎傳」で、2回目は東京芸術座の「蟹工船」。例会は年間、6回から7回開催。先月の例会で227回を数え、これまで仲代達矢の「オセロ」、滝沢修の「炎の人」「セールスマンの死」、宇野重吉の「にんじん」や、文学座の杉村春子の当たり役「女の一生」は2回も来演した。
しかし働く現場も環境が厳しくなり、80年代には会員が減って数100万円の累積赤字を抱え、一時は解散の危機もあったという。
同会は会員制で、当初1,170人でスタート。現在は1,885人に増えている。
岡田会長は「会員は50歳代から70歳代の主婦が八8割ほどを占めている。中には親子二世代で会員になってくれている人もいて、ここ10年ほどは安定している。最近は定年を迎えた男性の加入もあるが、今後は若い人たちへの呼びかけが課題」と話す。
全国10ブロックに140ある鑑賞会の中でも、もっとも若い事務局長の一人で、アマチュア劇団の団員としても活躍している坂本明さん(30)は「市内では高校で演劇が盛んなので、アマ劇団も含めて『演劇祭』などができたらいいと思う。著名な作家や俳優を招いて、ワークショップなどを行い、演劇を通した文化活動が活発になれば」と話している。
来月は「國語元年」
幸田と岡崎で
岡崎演劇鑑賞会の3月例会は、こまつ座公演「國語元年」で、13日午後6:45分から幸田町民会館、14日午後6:15分から岡崎市民会館で開かれる。
井上ひさし作のテレビドラマを舞台化。明治初期の話し言葉統一をめぐって、全国の方言を使う人たちが騒動を繰り広げる。
同会の会費は月額2,000円、学生1,300円、高校生以下900円。入会金として2,500円、学生以下100円が必要。
問い合わせは、岡崎市八幡町の同鑑賞会事務局(電話22―4693)へ。