岡崎工業高校の柴田恭兵君が難関国家資格に見事合格
水質関係第四種公害防止管理者試験
2回目の挑戦で在学中では13年ぶりの合格
岡崎市羽根町の県立岡崎工業高校化学工業科の3年生、柴田恭兵君(18)が昨年12月、合格率20%以下といわれる「水質関係第四種公害防止管理者試験」(産業環境管理協会主催)に合格しました。同校在学中の生徒から合格者が出たのは13年ぶり。柴田君は「いずれは第一種も取得し、他の資格にも挑戦したい」と意気込んでいる。
公害防止管理者とは、特定工場など処理施設の維持・管理を行う技術者のこと。「水質関係」取得者は、一定規模を超える工場廃水を、河川などに排出する工場に選任が義務付けられている。
柴田君が取得した第4種は、有害物質を含まない排水1000m3以上を1日で排出する工場が対象で、上には第1種、第2種、第3種がある。
年1回の国家試験は、年齢・学歴に関係なく誰でも受験可能。だが、試験の難しさから同校では平成3年から13年間、合格者がなかった。
昨年の試験には、柴田君を含め5人の生徒が受験した。受験にあたり同校は、「結果までの過程を理解すること」を念頭に、持ち回りで調べたテーマを他の受験者の前で発表、内容について生徒たちに質疑応答させる勉強会を開いた。
勉強会は授業後に計45回行われ、合格したのは柴田君一人。ちなみに、昨年の全国の合格者数は総受験者1,628人中、260人。
毎年、受験生の指導に当たる説田育正教諭によれば、難関といわれる最大の理由は試験科目の一つ「公害概論」。化学をはじめ、医学、法律、歴史、文化など各分野の専門的知識が入り混じった複合問題が出題される。時代によって公害の実状は変わるため、あと一歩で涙を飲む人も多く、試験2回目で合格した柴田君も例外ではなかった。
柴田君は、名古屋市の大手水道衛生工事・補修管理会社への就職が内定している。入社後は、水の中に有害物質がないかを調べる「分析」の仕事に携わる予定。「釣りなどの川遊びが好きで、汚れた河川を見て『きれいになればいいな』といつも思っていた。就職したらいろんな水をきれいにしたい」と情熱を燃やしている。