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東海愛知新聞

その「振り込み」待った!

職員の機転が詐欺防止  岡崎信金中央支店

「大至急お金を振り込んでほしい」。岡崎信用金庫中央支店(岡崎市康生通東二、近藤士温支店長)に、同支店の顧客である八十歳代の女性から電話があったのは、今月20日午前11時30分ごろ。不審に思った同支店渉外係の担当男性職員(33)が女性に送金先の確認を求めたところ、「医療ミス」を装った“振り込め詐欺”であることがわかり、未然に防いだ。同支店は、「『医療ミス』を装った(詐欺の)パターンは初めて」と話している。
 担当職員はこの日午前、集金のため女性宅を訪れていた。そのあと女性から振り込み依頼の電話を受けた。
 同日午後、職員が女性宅を訪れると、女性は「2時間以内に500万円を振り込んでほしい」と通帳などを渡した。事情を聞いても女性は「病院関係の振り込み」というばかりで詳細を明かさなかった。この女性には医師の息子がおり、女性もかつては医師だった。
 「さっき集金で訪問した時、なぜ言わなかったのだろう?」と不審を抱いた職員は、支店に戻ったあと、「もしや」と思い、手続きを行わずに、「送金相手を確認してほしい」と女性に連絡、“詐欺”が判明した。
 翌日になって、女性から説明を受けた職員によると、集金訪問したあと“岡崎市民病院副院長”を名乗る中年らしき男から、「お宅の息子が配合した薬のせいで子どもの容態が悪化し、市民病院に運ばれた。子どもの父親はマスコミ関係者で、1,500万円の示談金を求めている。(市民)病院側が1,000万円用意するので、500万円を用立ててほしい」と電話があり、京都市内にある金融機関の口座を送金先に指定されたという。
 話を信じた女性は公表されるのを恐れ、職員に詳しいいきさつを話せなかったらしい。
 犯人は女性宅に電話をかけた際、「振り込んだら連絡するように」と、プリペイド式携帯電話と思われる番号を女性に教えている。女性から事情を聞いた息子が直接電話して犯人を問い詰めたところ、しどろもどろになり一方的に電話を切ったという。
 「『医療ミス』を理由にしたことから、犯人はだます相手が医師だということを知っていたのでは」(同支店)。
 職員が異変に気づいたポイントは(1)「二時間以内」という短時間での振り込み要求(2)送金先が遠方だった(3)指定された口座が個人名義だった―の三点。女性が通常の手続きではありえない「制限時間を設けた送金」を職員に依頼してきたことも、詐欺被害を未然に防ぐことにつながった。
 同支店では「日ごろから心がけているお客様とのコミュニケーションは、『振り込め詐欺』の予防にもなる。今回のケースでそれが証明された。引き続き渉外係、窓口業務ともに全職員の防犯教育を徹底していく」としている。

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