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東海愛知新聞

サクラ咲く 台風の置き土産?

岡崎市明大寺町の乙川左岸堤防のソメイヨシノが花をつけている。 明代橋南詰めから西へ七本目の木に全部で二十輪ほど=写真。ツボミもある。台風で枝が折れ、葉もほとんどが吹き飛んでしまった。
 同じ左岸道路の県西三河総合庁舎北でも同様の木に咲いている。ただ周囲の桜は葉がついており、花が可憐なだけに、その対比が痛々しい。また、岡崎公園などでもチラホラ。
 木は、強風や寒さで葉が傷むと自ら葉を落としてしまう。落葉のあと温暖な日が続くと「春が来た」と勘違いして花をつけるという。
 同市内の造園業者によると、この勘違い説のほか、ソメイヨシノは交雑種だから、秋にも咲くヒガンザクラの系統が交じった木かもしれないという血統説もあるそうだ。

■あす「どぶろくまつり」岡崎市蔵次・熊野神社
  一斗二升振る舞う 今年の当番は中根正一さん

岡崎市蔵次町、熊野神社恒例の「どぶろくまつり」が十五日、行われる。今年は約一斗二升(二十二リットル)を仕込んだ。当日午後二時から神事があり、三時ごろから参拝者にどぶろくが振る舞われる。雨天でも実施する。
 蔵次町は岡崎市の東部に位置し、学区は常磐東学区。分家の二戸を含む七戸という小さな町だ。
 どぶろくまつりは明治の初めから続いているといわれ、先の大戦でも絶えることなく氏子によって受け継がれてきた。戦後は各戸が毎年交代で醸造している。
 今年は本家五戸のうち、中根正一さん(75)が当番。中根さんは自分の田んぼで「ミネアサヒ」という銘柄の米をつくった。麹こうじを岡崎市内の麹屋で買い、先月二十五日と二十九日の二度、自宅で二斗樽だるに仕込んだ。
 今月十日、樽を神社境内の「造酒殿」に運び込んだあと毎日朝夕、各戸の当主が順番に竹棒でかき回す。本殿脇にある造酒殿は、瓦ぶきの三畳ほどの建物。国から酒造免許が下りる前年の大正十三(一九二四)年に改築したそうだが、外回りは老朽化してきた。
 氏子総代の天野三郎さん(64)がどぶろくをかき回すと、鼻をくすぐるいい香りが立ち込めた。中根さんと天野さんによると「毎年三、四十人は来てくれるなぁ」。近在の人に交じり「豊橋からや外国人も」。
 どぶろくまつりは岐阜県・白川郷が有名だが、天野さんは「こっちからは行くけど、あっちからは来てくれん」。中根さんも「あんまり大勢来てもらっても、どぶろくがすぐなくなっちゃうで申し訳ない」と笑った。

■「財界に新しい風を」大川会頭が退任を表明
  岡崎商議所 後任に伊藤公正氏内定

岡崎商工会議所の大川博美会頭(オリバー社長)は13日、記者会見し、今月31日の任期満了で退任することを表明した。後任には副会頭の伊藤公正氏(富士ファイン社長)が内定した。四期十年七カ月務めた大川会頭は、退任の理由に七十三歳の高齢をあげ、「(会頭の交代で)新しい風を期待したい」と述べた。また副会頭の杉浦惠造氏(稲垣屋社長)も退任。空席になる二つの副会頭に古澤武雄氏(東海光学社長)と服部良男氏(服部工業社長)を推薦し、現在の服部晃氏(岡崎信用金庫理事長)、太田進造氏(太田油脂社長)との四人体制が固まった。11月1日の議員総会で正式に決まる。
 大川会頭は「この十年間、バブル経済の崩壊、デフレなど岡崎の経済界も厳しかったが、全国的にみれば健全経営をする事業家が多く、廃業、倒産は少なかった」と振り返り、印象に残ったこととして[1]商工会議所女性部の『花づくりから街づくり』事業[2]大学懇話会、NPO法人21世紀を創る会の立ち上げや、松坂屋岡崎店六階のコミュニティサテライトオフィスの開所[3]米国、中国、インド、欧州への視察による国際交流などを上げた。
 退任は今年夏ごろに決意したことを明らかにし「同級会があり、出席した仲間で現職は私一人だった。これまでの会頭はいずれも一期、二期、長くても三期で、ここらで会頭を退き、後任に道を譲るべきだと思った」と話した。
 さらに「現在は隣の豊田、西尾、安城の方が岡崎よりも活力がある」とし、「(新しい会頭に内定している伊藤氏の)富士ファインは、七割を中国で生産している。経済は今後、さらにグローバル化が進む。これから一番親しくしなければならないのは中国である。そこで仕事をしているノウハウを持ってきてもらい、新しい風、新しい考えで岡崎経済界の発展を期待したい」と強調した。

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