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東海愛知新聞

革新的な研究課題に挑戦

岡崎・エクセルズ 新電子顕微鏡施設が開所

自然科学研究機構生命創成探究センター(=エクセルズ、岡崎市明大寺町)は2日、同町の同機構生理学研究所内にタンパク質や分子構造を調べることができる施設「クライオ電子顕微鏡施設」を開所した。今後は、研究者や利用者自身が設備を扱うことができる「共同利用研究施設」として運用する予定で、そのための準備を進めているという。()

同施設は、生理研の超高圧電子顕微鏡施設を改修して設置。電子線を当てて対象物の構造などを調べる高さ3.2メートルのクライオ電子顕微鏡と、同電子顕微鏡用の試料を作るための装置を備えている。同電子顕微鏡には、国内研究施設で初めて導入されるという電子銃を備え、「エネルギーフィルター」と呼ばれる特殊な部品があることで、従来の電子顕微鏡で確認できなかった小さな試料の分析が可能になった。また、一部感染性のある試料を扱えるという。

さらに、試料の解析を連続して12点まで自動で調べることができる。エクセルズの村田和義特任教授は「従来の電子顕微鏡では研究者らが顕微鏡を操作する必要があったため、操作の自動化は画期的だ」と説明している。

今後はほかの研究施設や企業などとの共同研究だけでなく、外部の研究者が直接電子顕微鏡を操作できるように育成することも進めるという。そのためのトレーニングマニュアル整備と充実を図るとしている。

生理研で2日、開所式が開かれ、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部来賓らはオンライン会議サービスを使って出席した。

小森彰夫機構長は「日本国内で、世界的な基準で構造生命科学を研究できるようになった。世界の最先端研究をより一層強力に推進し、より革新的な研究課題へ挑戦を続けたい」、加藤晃一エクセルズセンター長は「(同施設設置は)『生きているとは何か』というエクセルズの根源的な問いの解明を促すとともに、その成果は医療・創薬といった分野へも波及効果をもたらすと信じている」とあいさつした。

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