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東海愛知新聞

地域の力で苦境脱出へ

岡崎の観光ブドウ園農家

岡崎市駒立、米河内両町の観光ブドウ園農家7戸で組織する「岡崎駒立ぶどう狩り組合」が、地域の協力でコロナ禍の苦境を乗り切ろうとしている。繁忙期の9月が緊急事態宣言期間となり、各農家は大打撃。ブドウの大量廃棄の可能性もあったが、窮状の観光農園に救いの手を差し伸べたのは地元企業などだった。()

7園では毎年8月1日から10月10日ごろまでブドウ狩りを楽しめる(一部は7月20日から)。例年は計約7万人(多い時は1日4000人)が訪れ、岡崎の観光スポットにもなっている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は昨年から。8月は愛知県独自の緊急事態宣言下で落ち込んだが、解除後の9月は例年並みに観光客が訪れ、年間約6万2000人だった。中根伸宏組合長(50)は「今年は人気の巨峰シーズンの9月が全然駄目だった」と振り返る。近隣県の個人客やツアー、県内の個人客・企業の予約は相次いでキャンセルに。旬を過ぎたブドウは廃棄せざるを得ないという。

この状況を報じたテレビ番組を見た地元の視聴者などから「何とかしたい。協力できないか」という申し出があったのが9月中旬。

そこから購入希望者へのブドウの発送を始めた。中根組合長によると、市内に工場を構えるマルヤス工業は社員1人に1房配布するため1500房分を購入。近隣小中学校の教員や一般消費者からの注文もあり、生活協同組合の店舗でもブドウが並ぶ。「3分の1程度の廃棄を覚悟していたが、皆様のおかげでかなり廃棄は減りそう。大変感謝している」

10月3日までの来場者数は約4万3000人。宣言明け最初の日曜となった3日には約1800人が訪れた。インターネット販売やジュースなどへの加工という手段もあるが、組合は現地でのブドウ狩りにこだわる。「私たちができる恩返しは、おいしいブドウを作ること。皆様には自然を感じながら手に取って食べてもらえたら」

ブドウ狩りは17日ごろまで。問い合わせは、同組合(45―5151)へ。

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