東海愛知新聞バックナンバー
 2月6日【水】
問題ありの「指摘」100件
岡崎市18年度 公有財産など外部監査で

岡崎市の公有財産および備品などの管理に関する外部監査人による包括外部監査報告書が5日、市に提出された。合規性に問題があるとする「指摘」は100件、経済性や効率性に問題があるとする「意見」は73件あった。
 総務省が3年後に導入する新地方公会計制度に合わせ、合規性、経済性、効率性に加え、「制度に順応できるか」が監査対象の選定理由。同制度は、行政サービスを提供する資産を貸借対照表などに表示することが必要で、今回の監査は3年後をめどに、より明文化した資産管理台帳の整備を促すことも視野に入れている。
 公有財産は不動産、動産、物権、無体財産権、有価証券、出資による権利、不動産信託の受益権。備品は長期継続して使用・保存できる物品を指す。監査は後藤貞明監査人と公認会計士ら9人が、公有財産や備品を所管する14部署を対象に平成18年度の取得、管理、処分データに基づき実態を調査した。
 報告書によると、公有財産の取得段階では▽公有財産の取得価格の集計をマニュアル化し、担当課で統一的な処理を行う指導▽建物の照明設備や空調設備などを、担当課によっては建物台帳ではなく、工作物(機械装置や構築物など)台帳に記載するケースがあることから、建物台帳に記載する設備の要件の明確な規定▽建物台帳に記載される建物自体と付属設備は一つの財産として台帳登録するのではなく、個別に登録する規則の改正▽工作物台帳などで把握する必要がある河川、水路、農業集落排水施設の財産をどのように扱うかの早急な検討―などの必要性が指摘された。
 管理段階では▽財産の所属替え、所管替えの際に取得価格の明確な登録▽土地を対象に行われる財産の価格改定は、建物などにも対象を広げ価格改定の必要・不必要性の再検討▽建物などの財産の一部を取り壊す際は価値の減少を把握し、当該する台帳から削除することの明文化―などが挙げられた。
 備品の取得段階では、備品を取得する場合の備品台帳への登録漏れがあり、備品をはじめ財産に登録すべき物を把握して、台帳登録の徹底の必要性を指摘。備品の取得科目では備品の購入費だけでなく、工事請負費や委託料で取得される場合もあることも認識する必要があるとしている。
 管理段階では、本来なら年度終了後に行う備品の“棚卸し”を、年間を通して行う部署があることから、年度末に一斉に行うよう徹底することなどを指摘している。
 同制度導入に当たり、後藤監査人は「台帳整備は財産、備品の実態を把握するのに不可欠」とし、監査結果を「地方公共団体は決算より予算を重視し、建物などの維持管理に対する考え方が甘い。貸借対照表などの台帳を整備しないと実態はつかめない」と総括した。





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