東海愛知新聞バックナンバー
 12月11日【火】
「へその緒」で命を実感
推進プランを基に授業
岡崎市城北中学校

「いのちの教育」推進に向けて岡崎市教育委員会が九月に発表したプランにもとづいた中学校の道徳の授業が10日、岡崎市城北中学校3年4組(担任・廣瀬浩司教諭)で行われた。
 同プランでは3年生の2学期の道徳は、命を大切にする気持ちを育てる授業が計画されている。
 この日は、クラスメートからいじめを受けた明子が入院先の病院で死にたいと点滴を拒否するが、母親が「へその緒」を見せながら自分の命をかけて明子を出産したことを話す―という内容の資料「へその緒」を読んで、命の大切さについて考える授業が行われた。
 資料を読んだあと、母からへその緒を渡された明子がどんな気持ちでいるか、と問われた生徒たちは「自分を大切に思ってくれる人が1人でもいるのだから、自分を大切にしよう」「死にたいと考えるのは父母に対して申しわけない」「死にたいなどとは、もう言わないようにしよう」「死にたいと思ったのはばかなことだ」などと発言した。
 授業のまとめで廣瀬教諭が、母親から借りてきた生徒の「へその緒」を見せると、一瞬ざわめきが起きたが、担任の手元に視線が集中した。
 廣瀬教諭は「自分のために親がいろいろ考えてくれていることを改めて認識してくれたと思う。命は自分だけのものでないことも知ってほしい」と話していた。
 市教育委員会では、人権週間の今月4日から10日までを「岡崎市いのちの教育強化週間」と位置づけ、全小中学校で命をテーマにした道徳と特別活動の授業を実施した。





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