東海愛知新聞バックナンバー

 2月2日【木】

2年ぶり2桁に

岡崎署管内 昨年1年間の交通事故死者

高齢者関連の交通事故が多発した平成28年。あらためて昨年1年間の岡崎署管内(岡崎市、幸田町)の交通事故状況を振り返る。(大山智也)

同署交通課によると、昨年1年間の管内での人身事故発生件数は2186件(前年比282件減)。交通事故死者数は12人(同3人増)とやや増加したが、事故総数自体は減少傾向にある。

死亡事故の内訳は、被害者の3人に1人が65歳以上の高齢者。いずれも道路を横断中にはねられており、中には加害者も高齢者という例があった。12月8日には、岡崎市高隆寺町の「わかば薬局岡崎店」の店舗駐車場で70代男性が普通乗用車の運転を誤り、店舗壁面に激突。この事故による死者はいなかったが、店内の2人が打撲を負った。

高齢者事故の多くは、視野が狭く歩行者や自転車を見落とす▽出会い頭などでとっさのブレーキが間に合わない▽ブレーキペダルを踏むつもりが、誤ってアクセルペダルを踏む―といった加齢による身体能力の衰えや本人の認識と行動のずれに起因している。

同署では、加齢による運転能力の低下を正しく認識できるよう高齢者を対象にドライブレコーダーを使った安全運転講座を年間を通して開催。運転中の様子を映像で振り返ることで、実際の運転の様子と本人の認識のずれを解消するのが狙い。また同署だけでなく、管内の自動車学校などでも不定期で開催している。

高齢者が関係する事故が多発した影響からか、10〜12月には同署に免許を自主返納する高齢ドライバーが増加。返納者には、管内でのタクシー料金1割引きなどのサービスが受けられる高齢者交通安全モデルカード(ももカード)や運転経歴証明書(有料、希望者のみ)が発行される。