東海愛知新聞バックナンバー

 8月28日【日】

八丁味噌の魅力を分析

滋賀大の鬼頭さん カクキューでインターンシップ

滋賀大学の鬼頭優花さんが、岡崎市八帖町の老舗八丁味噌蔵「カクキュー八丁味噌」で22日から5日間、インターンシップを行った。鬼頭さんは最終日の26日、初めてインターンシップを受け入れた早川久右衛門社長をはじめ、総務、製造、営業、企画、売店・通販の責任者11人に学んだことを発表した。(今井亮)

インターンシップ期間中、鬼頭さんは味噌蔵や歴史的な社屋を見学。早川社長と各部署の従業員への単独インタビューといった“取材”を敢行した。最終日の社内発表会を前に同市役所内の記者室を訪れ、発表会を告知する鬼頭さん名義のプレスリリース資料を報道関係者に配布する広報活動も体験した。

発表会は「カクキューの魅力」と題して、魅力の根源を「こだわり」「変化」「雰囲気」に分類。岡崎で守り続けてきた伝統的な醸造方法の継続、八丁味噌の魅力を生かしたコラボレーション商品開発やレシピ考案など時代に合わせた柔軟性、社長と従業員の人柄と経営方針から見る社内の関係性を分析した。

一方で、インタビューなどで浮き彫りになった改善点として「部署間連携の円滑化・交流の活発化」など11項目を挙げた。最後はインターンシップを通して学んだ「仕事」の在り方について、「仕事は常に楽しいわけではなく、責任を持って取り組むのが仕事」と総括。大学卒業後の目標を模索している立場から、「やりがいにしろ、居心地にしろ、会社内にはさまざまな側面をモチベーションにする多様な価値観があっていい」とした上で、「何が『正解』なのかは自分自身で見つけていくもの」と結んだ。

北名古屋市出身の鬼頭さんは、八丁味噌が多用されている味噌煮込みや味噌カツといった名古屋市のご当地グルメ「名古屋めし」に着目。県の制度を利用して、「愛知の特産品を知ろう」とカクキューへのインターンシップを希望した。

鬼頭さんは「最初は八丁味噌と赤味噌の違いも知りませんでしたが、岡崎の八丁味噌があったからこそ、名古屋めしが発展したのではないかと思うようになりました」と話していた。