東海愛知新聞バックナンバー

 6月9日【木】

岡崎など15カ所で走行

県の自動運転実証実験

愛知県は測量システム開発などのアイサンテクノロジー(名古屋市中区)に業務委託し、岡崎市、豊田市、幸田町などの15市町の公道で高精度三次元地図を使った自動車の自動走行実証実験を行う。また、そのうち4市町では無人タクシーのモニター調査も実施する。

県は自動走行による無人タクシーを使った高齢者らの移動サービスの運用に関して、県民のニーズや社会での受け入れの検証を進めている。昨年8月に新技術開発や実証を行う内閣府の近未来技術実証特区「自動走行実証プロジェクト」に指定されている。

アイサンテクノロジー所有の計測専用車両で各市町の道路情報を計測。その後、三次元地図を順次作成し走行実験に取り掛かる。公道では専門の運転手が同乗し、安全を確保する。

モニター調査の対象は豊田市と春日井市、設楽町、南知多町。目的地の指定や所要時間の表記などの機能を持つアプリを搭載したタブレット端末を使って専用車両で移動。利便性や安全性などの聞き取りを受ける。

自動運転システム開発・販売などのZMP(東京都文京区)が走行実験用の車両を提供。岡崎市部分はアイシン・エィ・ダブリュ(本社安城市)に実験を委託する。

実験に協力する15市町は、お年寄りや障害者らをはじめとした交通弱者の移動支援を課題としており、実験を通じて解決につながればと県に応募。課題に即した安全性が確保できているかなどを加味して各市町で1コースが選ばれた。

岡崎市は障害児や障害者の通院のための移動を想定して、県三河青い鳥医療療育センター(高隆寺町)〜同市福祉の村(欠町)間を設定した。モニター調査も同時に行う豊田市では、下山地区の花沢5区コミュニティーセンター(花沢町)〜JAあいち豊田Aコープ下山店(大沼町)間を走行させる。幸田町は、高齢者の移動支援として、地域の拠点となるJR相見駅(相見)〜永野ちびっ子広場(永野)間。6月中の走行開始を予定している。(横田沙貴)