東海愛知新聞バックナンバー

 6月11日【火】

岡崎・悠紀の里オープン

歴史・文化を紹介
来年度にはホールなど完成

岡崎市中島町で整備が進められていた市地域交流センター六ツ美分館「悠紀(ゆき)の里」が9日、オープンした。第1期の歴史・文化伝承ゾーンは、六ツ美地域の歴史や文化を紹介する民俗資料室がメーン。来年度にはホールや活動室などを備えた地域交流ゾーン(第2期)が完成する。(竹内雅紀)

約60人が参加した開館記念式典で、内田康宏市長は「貴重な文化財を保存したいと市は平成21年度から整備計画を進めてきた。悠紀の里が歴史や文化を生かした観光産業都市としての市政運営の一助になればうれしい」とあいさつした。

悠紀の里は、大正4(1915)年に大嘗祭(だいじょうさい)=天皇即位後初めての新嘗(にいなめ)祭=に献上するコメを作る水田「悠紀斎田」の古跡地約1万平方メートルに鉄筋コンクリート造り平屋の建物を建設。第1期は約513平方メートル、第2期は約765平方メートル。総事業費約9億円。

民俗資料室では、当時使用した鍬や桶、鎌などの農耕具をはじめとする貴重品約150点を展示して、六ツ美地域の今昔を紹介している。定員24人の研修室(有料)は2室。午前9時〜午後5時。月曜休館。問い合わせは、同館(57―5050)へ。

この日は、式典後に地元の六ツ美悠紀斎田保存会(腰山義之会長)主催の「六ツ美悠紀斎田お田植えまつり」が行われた。まつりは市の無形民俗文化財で、今年で90回目。保存会や地元学区女性部、六ツ美南部小学校児童らが当時の衣装に身を包み「お田植えおどり」を披露。その後、早乙女姿の女性らがお田植え唄に合わせて苗を植えていった。