東海愛知新聞バックナンバー

 4月15日【日】

■「鎮魂と復興の碑」25点

岡崎石製品協組連合会
被災地の石を加工し引き渡す

3月11日を忘れない―。岡崎石製品協同組合連合会(磯谷和汪会長)はこのほど、福島、宮城県産の石を加工して製作した石碑「鎮魂と復興の碑」25点を福島県石材事業協同組合(中原貞一理事長)に引き渡した。東日本大震災から1年経過した今も現地では墓石が倒壊したままの所もあり、岡崎の石職人らは「少しでも心の復興に役立てれば」と被災地への思いを馳(は)せている。(竹内雅紀)

■「3月11日を忘れない」刻む

同連合会は昨年10月に乙川河川敷で行った石の祭典「第20回岡崎ストーンフェア」で全国各地の石を使って製作した「十三重の塔」や福島、宮城県産の石を加工した「鎮魂と復興の碑」を展示した。石碑は、全国でも有数の採石地と石材加工に優れた職人が多い岡崎との共同事業。福島県の組合からは、福島県産の大倉御影石、滝根御影石、深山吹雪石、宮城県産の伊達冠石、吾妻御影石、磐梯御影石が約30センチ角で無償提供された。

25点は岡崎の石材業者有志が1点ずつ担当。作風は自由で、地蔵や灯籠、墓石などそれぞれの得意分野で製作したが、いずれの作品にも共通して「3月11日を忘れない」の文字を入れた。

ストーンフェア実行委員長で現地へ石碑の受け渡しを行った楠名和弘さんは「私たちでは被災地の現状は詳しく分からないが、岡崎の技術力で製作した石碑によって、復興に向けて頑張っている人の心が少しでも和めばうれしい」と語る。

石碑を受け取った福島の中原理事長は、本紙の取材に対して「被災者の気持ちをくみ取って、復興を願ってくださった岡崎の組合や職人の方には大変感謝している。これからは福島の石を岡崎でも使っていただきたい」と話す。石碑25点の使い道は今後の理事会で協議するという。