東海愛知新聞バックナンバー

 2月27日【日】

■“幻の散策路”40年ぶり整備

岡崎市愛宕小

岡崎市愛宕小学校で40年ほど前に造られたものの、樹木の成長で利用されなくなった散策路が校地整備の途中で見つかり、6年生が散策路の再利用を計画。急斜面の作業は危険だと6年生の父親や職員、学区に住む同校卒業生らが奉仕を買って出て整備が進んだ。6年生児童が「ドリームパラダイスⅡ」と名づけて学校の新名所が誕生。今後の整備は後輩たちに託す。(岩月健)

■おやじパワー大活躍 子どもたちの夢応援

同校の西側と北側の斜面は高さ約30メートル。樹木が生い茂り、隣地の住宅などから整備の要望が出ていた。昨年、西側の樹木を伐採したところ斜面に50平方メートルほどのテラスの跡や道らしいものが見つかった。跡をたどると道は北側斜面を抜け、東側の体育館が建っている所まで続いていることが分かった。

昭和41(1966)年撮影の写真には斜面を利用した大滑り台やミニ水力発電所、水車などが写っている。当時、力を入れていた理科教育推進の一助だった。また、散策路はランニングコースや自然観察路として利用され、斜面一帯は「夢のパラダイス」と名付けられていた。

これらの歴史を知った6年生は「夢のパラダイス」を復活する計画を立てた。学校側も太田信政校務主任が中心になって児童たちを応援したが、児童だけで荒れた急斜面を整備するのは難しかった。

話を伝え聞いた柳沢辰政PTA会長ら6年生児童の父親ら約20人が散策路の整備を買って出た。急斜面には階段を作り、散策路には土留めを施すなど2日間の作業で往時の姿を取り戻した。

児童たちは散策路を「ドリームパラダイスⅡ」と名付け、野鳥のために巣箱や給餌台を作って設置したり、案内板や入り口に門を立てたりした。

散策路は斜面の上下に2本。全長約150メートル。西側のテラスからは眼下に伊賀川の流れ、井田町や伊賀町、日名町の街並みから矢作町まで一望できる。

整備の中心になった柳沢会長は「これを機に、お父さんたちが力を合わせて子どもたちのために活躍し交流を深めてほしい。散策路整備はPTAの仕事として引き継いでいってほしい」と将来に夢を描く。

3月8日には6年生29人が「ドリ・パラ引き継ぎ会」を開いて、卒業したあとの整備を5年生24人に託す。


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