東海愛知新聞バックナンバー

 5月6日【水】

■アボカドの創作寿司で世界コンテスト4連覇

果物のような華やかさ
トヨタ生協本店に勤務 岡崎在住・増田さん

 トヨタ生協メグリア本店(豊田市山之手8)内の持ち帰り寿す司し店「花由(はなよし)」に勤める寿司職人の増田祐次郎さん(35)=岡崎市坂左右町=が、米・カリフォルニア州で先月19日に開かれたアボカドフェスティバルフードコンテストで優勝した。増田さんは過去3年間、コンテストにアボカドを使った創作寿司を出品して優勝。今大会で四連覇を達成した。
 プロ、アマの料理人が参戦したコンテストが開かれたのは、ロサンゼルスから南へ約170キロのアボカドの産地・フォールブルック。増田さんは4年前、知人の勧めでコンテストに初参戦し、アボカドに生ハムを組み合わせた握り寿司と、アボカドの手毬(まり)寿司で初優勝を飾った。
 今大会の出品作は「寿司のスイーツ」と命名した。サーモン、マグロ、タイに、すり潰したり刻んだりしたアボカドを組み合わせた押し寿司や握り寿司で、色のコントラストを強調。果物のように華やかな見た目に仕上げ、現地の女性審査員らをうならせた。
 「他の多彩な創作料理に勝る評価を受けたことが、本当にうれしい」と増田さん。コンテストの規模はまだ小さいが、「負けるまで出場します。(優勝し続けることが)ヨーロッパやアジアからもたくさんの挑戦者が出てくるきっかけになれば」と、意欲を見せている。

きっかけは「カリフォルニア・ロール」
「アイデア尽きません」

 増田さんは父が経営する寿司店を継ぐため、神奈川県横浜市の大学を卒業すると同時に帰郷。当時、寿司に関する知識や技術はほとんどなく、「包丁を握ったこともなかった」という。
 店を手伝いながら職人技を学ぶうち、近くに同業店が現れ経営環境が一変。急激に落ちていく売り上げに危機感を募らせた。5年前、アボカドを巻いた「カリフォルニア・ロール」の配達を頼まれたのを機に、「他店にないアボカドの定番商品を作ろう」とアボカドの特性、色、味と相性の良い食材を研究、創作にこだわるようになった。
 定番メニューとなったアボカド寿司をはじめ、ケーキに見立てた祝い事用の「ケーキ寿司」、障害者やお年寄り向けにネタと酢飯をこした「流動食寿司」なども生み出した。「アイデアは至るところにあふれてますから」と、増田さんはさりげなく、しかし自信に満ちた笑顔を見せた。



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