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東海愛知新聞

“龍”に生まれ変わる

長寿寺のクスノキ
チェーンソーで彫刻
岡崎市

 岡崎市森越町、長寿寺(神谷真章住職)で25日、庫裏の建て替えのために伐採されたクスノキの幹が、チェーンソーカーバー3人の手で“龍”の彫刻に生まれ変わった。境内で作業現場が公開され、エンジン音を響かせながらクスノキの幹に龍が刻まれていく様子を住民らが見守った。
 このクスノキは樹齢200年以上、高さ約14メートル、幹の直径約80センチ。本堂の北側にそびえ、寺のシンボルだった。
 昨年12月、工事のために伐採されたが、せっかくの木を形にして残してはと、工事を請け負った中根組の仲介で彫刻にすることになった。
 依頼されたのは、チェーンソーによる彫刻を趣味にしている西尾市行用町の会社員・阿知波弘人さん(49)と、長野県安曇野市在住の彫刻家・伴正史さん(56)、同県伊那市在住の同・小野沢武生さん(36)。
 彫刻に使われたのは、枝分かれしている木の中央部分で、高さ約1メートル、幅約2メートル。3人は前日から同寺に集まり、どんな彫刻にするか話し合った。
 当日は手順を確認したあと、3人が共同で作業を進めた。約1時間にわたる作業で、幹と枝の中から正面を向いた“龍”が現れた。最後に神谷住職が“目”を入れると、見守っていた約100人の住民らから拍手と歓声が上がった。
 日展に何度か入選している伴さんは「3人の共同で彫ったのは初めて。トラブルもなく無事に終わってよかった」とほっとした表情。
 檀家総代の鈴木譲さん(77)は「物心付いたときからあって、思い出深いクスノキです。龍の形になって再び魂が入り、感無量です」と話していた。
 この彫刻は、一昨年の屋根の葺ふき替えで残った本堂の鬼瓦とともに、来年3月に完成する新しい庫裏に飾られることになっている。

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